ミンミンゼミの最終定理

~ゲーム感想~

あなたは好きですか?

投稿日2023-02-19

諸君、このインターネットは最悪だ!こんなインターネットはもう見捨てるしか無いんだ、こんなインターネットはもう滅ぼせ!今はただ、スクラップアンドスクラップ!すべてをぶち壊すことだ! ……

はじめに

おかしくなりそうなほど情報過多なインターネット~♪という時代錯誤の電波ソングがテーマのNeedyGirlOverdoseというゲームが昨年発売された。 Internet overdoseは延々と聞き流していたが本編は後回しになっていたところ発売1年記念のセールが来たので購入、数日間破竹の勢いで攻略をしていた。 非常にジューシーなゲームだったので此処に自分の印象に残った事をセットしておこう。ネタバレありなので買ってないやつは横向くんだよ90度!

ゲーム内容

 このゲームはドット絵調で描かれた現実に酷似した世界でトップ配信者(インターネットエンジェル)を目指すADVというのが…表向きの謳い文句である。しかし、パソコンの大先生(笑)である我々は嘘を嘘と見抜けるのでこのゲームが現代インターネットを皮肉るものであると一目で見抜けるだろう。 プレイヤーはピとなりあめちゃんという顔面偏差値Sのメンヘラ腐……自己承認欲求が強い乙女をトップネット芸人へと駆り立てるための縁の下の力持ちになり行動を指示する(このピがカレピのピなのがPlayerのピなのか、想像上の存在に過ぎないのかは実は不明瞭だったりもする)。
 しかし、本当にトップ配信者にさせた場合バッドエンドだ。というかほとんどがバッドエンドのようななんなのか。プレイしていて気持ちよさはまったくないものの不思議と取り込まれる魅力がある。エンディング分岐はかなり凝っていて微妙な差で変化する。 インディーゲーなので攻略情報も適当言ってることがあるのでこの先はキミの目で確かめてくれ!感もインターネットがあてにならないという本編とリンクしていていい感じである。

あめちゃん

 顔に恵まれたメンヘラ。オタクを懐柔しつつ✞インターネットエンジェル✞を目指す。正直個人的にはあまり好みではないが病み度が高くなったときの顔は正直興奮する。悪堕ちって良いよね……わかる……。
 このあめちゃんというキャラがまあ非常に関わっていてなんというか精神的自傷行為をしているようないやなスルメ感がある。日によってオタクを好き嫌い騒ぎ立て、インドア系です感だしながらでかけてストレス回復したり、あっさいオタクだと思わせてからのいやこれマジモンだよなというインターネット老人感あることを言ったり、ODするくせに病み垢をバカにするなどの逆張りも備えていて”ふーん、めんどくせえ女”感半端ない。非常に不透明なキャラクターであることは間違いない。この不透明さが癖になる。
(大人になりたくねえなどと妙に共感する台詞をはいてるのも原因だろう)

誰ガ為ノゲーム

 今回にかぎらず私は制作陣の情報を仕入れないタイプなので思ったことを適当に書いていく。 プレイ前の印象は第四の壁をぶち壊してブラクラ貼ってくる系か?と思ったがそういった演出は望まれる範囲で抑えられていた。これはすごく意外だった。全体的な印象としてターゲット層が自分くらいの、「ミレニアル世代」が当てはまるだろうか?まだスマホが普及する直前に義務教育を受け、憂うべきことにうっかり"Welcome to Underground"をしてしまった悲しいこどもおじさんに刺さる。起動時はWindows98のオマージュでドットがGBA,DS調、そしていきなり出てくる脳漿炸裂ガールという単語。正直脳漿炸裂ガールはヘッショ喰らったので訴訟も辞さない。そしてことごとく失敗するPR配信、最後には大物Youtuber(半角)の悪質なパロディから溢れ出る反アフィケンモ臭は2010年頃のインターネットを彷彿とさせる そして迎えるエンディングの数々には頭アルミホイルからフェミなど最近のギスったインターネットを明示している。 からの隠しエンド、インターネットが自重崩壊を起こしインターネットには俺とお前とひろゆきすらいなくなってしまう。その方法がLANケーブルをぶち抜くというニートを切れさせる古典的方法がトリガーになるのは見事と同時に本当に古典的すぎる。今の時代LAN引っこ抜いてネット切断というのを実行できる環境でPCに向かい合っている人間はゲーマーくらいなのではないか。かくいう私も有線派である。実際プレイしたあとにwifi接続だけじゃなくてbluetoothも切らないとだめだった~などの時代の変化を実感させられるコメントを見た。

オンラインとオフライン

 そう、2010年頃まではオンラインとオフラインは別々に存在しているように思えた。リアルでは~などという謳い文句、ネットが居場所という痛いセリフこれはインターネットインフラの急速な整備により消えていった。 ネチケット、ユビキタス、ダイナブック構想……今ではもう語られすらしなくなった情報の授業で出てきた言葉たち。オンラインとオフラインという明確な区別は形骸化し、インターネットは私達の生活の一部になった。 考えてみたら当たり前である。インターネットが示すのはサイトページではなく、インフラなのだから。自分たちはほんの片鱗に触れていただけに過ぎなかった。 ただ、それが(少なくとも顔なじみには)誰にも知られていない秘密基地のように使えたので楽しかった。ところが気がつけば基地の数々は取り壊され、再開発が進んだネット世界には現実の理論が急激に入り込んだ。 インターネット、それは21世紀最後のフロンティアだった。 あたらめてネットとリアルの境目がなくなった世界に生きているのだなとこの作品を通して実感させられた。

おわりに

これ以上言語で語ることに意味があるとは思えない。あとはプレイした人が同じ気分を味わっているとわかればこの記事を書いた甲斐がある。 しかしまあ最近FPSってほんとコミュ力必要だよね。ValoとかApexとか小規模戦メイン増えて辛ンだわ。  あとテーマ曲の歌詞が本編一つ一つをなぞっていた。プレイ前と後でガラッと印象が変わる曲である。 あと、エンディング分岐の一つにえっち6回してると強制陳死亡になるのギミックは面白かった。やっぱ楽してパラメーター操作するもんじゃないよね。✞昇天✞




トップへ