SEOの悪魔
※このコラムには記憶と想像に基づく要素が多くあり、信憑性に関しては担保できない。※
ここ数ヶ月だらだらと下手の横好きでサイト構築をしてみた。Google Analyticsにもサーチコンソールにも登録し、Amazonアソシエイト、もしもアフィリエイトも試してみた。その流れでSEOに対して色々調べていたが、結局恨むべき存在としてのSEOは私の中で変わることはなかった。
それどころかサイトから利益を得るという根本的な構造がもたらす結果に対して対処することができないという無力感すら生み出した。
私自身、adblockやadguardを導入してサイトの広告が表示されないようにしている。iPhoneからAndroidに戻してからVancedYoutubeも入れている(最近はそれすら消してブラウザからしか視聴していない)。それはなぜかというとある時から過度な広告が増えたからであり、広告によって明らかにページの読み込みが重くなっていてUXが損なわれていたからだ。サイト側がそういう態度を取るのならば自己防衛をするしかない。まだスマホが普及する前、インターネットがアングラと大衆の境目に位置するあたりではまだそこまでアドブロックを導入するほどではなかった。ユビキタス……もうすでに概念的に当たり前になって死語化したがそれが実現された現在においてアフィリエイトは大きな存在になった。サイトにアクセスすると一面に出る広告、誤タップを誘発するスライド式広告、画面の半分を覆い尽くすバナー広告……昔から閲覧していたサイトも日増しに広告量が増え、ついには気象庁ですらバナー設置を始めた。インターネットと広告の関係は今後ますます強くなっていくだろう。
2011年末、Googleが日本のCMを作った。そう、「Tell Your World」だ。ちょうどその頃からGoogleがネットの覇権を握りだしたのではないか。GoogleChromeはトップシェアを取り、検索はYahooからgoogle search engineへ(この頃からyahooのサーチエンジンはgoogleと同じものになったらしい)、動画サイトもyoutubeからニコニコへのいわゆる"逆輸入"と言われる概念が消え始め国内での存在がますます大きくなった。もちろんスマートフォンもiPhone4Sが出たりと、この時期にガラケーにとって変わり始め、AndroidとiOSの二大OSの構造が確立され始めた時期だ。それ以降、OSからインターネットまでありとあらゆるものがGoogleに紐づけられ、Googleを抜きでIT関連にふれるのは不可能な状況になった。そしてそんなGoogleの大きな武器は「基本無料」だ。
Googleは一般向けに自社サービスを基本無料、なおかつ高品質にして普及させてきた。主な収入源は利用者ではなく、広告枠やトラフィックデータなどの情報を売ることでこのサービスを維持している。これが自社ですべてを完結させるAppleのハードウェア戦略との大きな違いである。Googleはあくまでプラットフォーマーになり、そこで得た情報を最適化させることにより収益を生み出している。もちろん使い勝手もいいので多少個人の情報が(一応匿名化されているとは言え)流れるとしても甘受して使い続けている。
さて、しかしここまでGoogle依存が極まると問題が起きる。それが「いかがでしたか?サイト」等の台頭である。これはGoogleのSEO(Search Engine Optimization)、つまり検索システムに引っかかるように効率化をした成れの果てのサイトである。猫も杓子も同じことを喋り、適当にアフィリエイトリンクを垂れ流すことで利益を得るというインターネットデブリサイトが大量発生してしまった。試しに「クロスバイク 入門 おすすめ」などという定番を検索にかけてみるとすぐに分かる。クロスバイク○○選!などという似たようなサイトが検索結果に蔓延っている。これはSEO対策の賜物であり、適者生存の法則の食物連鎖ピラミッドの頂点に君臨する名誉あるサイト達である。いくつかクリックしてみると判を押すかのように「クロスバイクとは?」という謳い文句からはじまり、ディスクブレーキとVブレーキの2種類があるという能書きをたれ、肝心の車種に関しては適当にECサイトへのリンクを貼り付けてろくすっぽ説明しないで終わる。中には堂々とルック車のアフィリン貼ってるサイトもあって小一時間問い詰めたいという衝動に駆られるが仕方ない。これが現状だ。別にこれはクロスバイクに限った話ではない。なんでもかんでもこんな感じである。あとは対立煽りでPVを稼ぐまとめサイトが出てくるだけだ。しかしこれも広告型の収益の最適化の結果なのだ。仕方がない。
さて、この現象はSEO対策だけではなく、冒頭に話したアマゾンアソシエイトやもしもアフィリエイトと言った閲覧者に広告をクリックしてもらい、クッキーの情報を基に24時間以内に購入してくれた場合アフィリエイトリンクを貼っているサイトにインセンティブが入るという形式のブロガーなどがよくやっている成功報酬型の収益方法にも原因がある。まず、この手のサイトは商品販売ページのリンクを貼って商品を紹介する記事を書く。あとはそれに付随した商品のアフィリエイトリンクも貼る。記事を見て「お、ええやん。」と思った人が買ってくれれば無事収益獲得……というのが本来想定される形なのだろうけどSEOとの連携によって、とんでもない結論が導かれた。まず、サイトで商品を買ってもらうには検索システムに引っかかる必要がある。Googleちゃんは新しいサイトを好む。毎日更新していることが大切だと思いこんでいる。質の良いサイトは文字数が多いと思ってる。これは検索すると否定されるが現に自分のサイトでもGoogle Search Consoleは文字数の少ないページを"質が低い"として検索結果に引っ掛けてくれない。そしてキーワードに引っ掛かるためにも固有名詞はバンバン使ったほうがいい。でもワードサラダ(単語だけ並べて意味の通らない文)は対策されたので結果として長ったらしい能書きをたれるいかがでしたかブログが出来上がる。毎日更新もそうで、いちいち買って紹介していたら金がなくなる。なのでネットで集められる情報をネットサーフィンよりもサーフェスな情報としてひとまとめにして紹介してしまう。それよりもSEOに引っかかってクリック購入してくれるほうが大切に決まってる。これがネットから金を得ようとする王道手法であり今現在検索が当てにならない仕組みだと考察している。
また、GoogleはAIを使って自社サービスを改善しようと試みることが多く、スパムも消すことができるがコラテラル・ダメージを出しまくる。Youtubeの解説動画とかが例としてあげられる。いずれにせよGoogle的コレクトネスがネット上で大きな比重を占めている。10年前から更新されていないサイトは問答無用で表示されなくなるらしい。今から10年前というと2012年だ。ものによっては有益なサイトが転がっているはずだ。もっともブログもどんどんサ終しているので共有する目的のサイトなんて絶滅しているのかもしれないけれど。
さて、こんなことを書きながらGoogleAdSenseの再申請を行った。どうせ落ちるだろうけど。あと試しに自転車記事で商品レビューみたいなものも書いてみたがどうにも性に合わない。そもそもAmazonの星5段階評価すらあまり好きではないのにブログで適当に紹介するなんてやりにくい。こういったレビューは鮮度が命なのでろくに使わずにインプレッションを語るのが得で確実性がない。もちろん自分も間違えることは無限にあるが、それでも自分の中で納得した意見を出したい。記事を書くなら自分の言いたいことを書いておきたい。それが、自分がインターネットに求めているものだがから……。ではまた~。